この旅でしたかったことの一つが永平寺での坐禅です。前日は福井に宿泊し、次の日の朝、永平寺に向かうことにしました。永平寺の坐禅体験の時間は10:00〜、13:30〜、15:30〜の1日3回設定されていました。福井駅から永平寺へのバス(永平寺ライナー)では10:00〜の坐禅には間に合わないので、13:30〜の坐禅を目指して行くことにしました。
永平寺は自分が想像していたよりずっと立派なお寺でした。かなり敷地も広く、建物も大きく立派。曹洞宗は禅宗だから…と勝手に素朴な寺を想像していました。お寺の中は荘厳な雰囲気で「すごいな〜」と思いながら見学させていただきました。
学生の時に将来の職業を考えたときに「生きることの意味」を考えられるのは出家して尼さんになることも考えていました。そのときに、母から「お寺に入るより世間に揉まれたほうがよっぽど分かる」と言われてそんなもんかな〜と思いつつ結局就職した経緯があったので、お寺で生きる人生も興味がありました。そのこともあって坐禅体験をさせていただきました。
坐禅の場所に連れて行っていただくと、若いお坊さんから作法などを教えていただきました。若いのにすごいなと感じました。自分の呼吸に集中し、ただそこに自分があることに目を向けるというやり方を教えていただきました。お坊さんは警策を持っておられて、「励ます意味で肩を叩くこともできますので、叩いてほしい方は合掌をされてください」とおっしゃいました。坐禅はどれくらい続くのか分からないので長く感じました。その中で警策で叩いてもらう方もいらっしゃいましたが、その音が響いて…ビビってしまいました。あとから思うと、これからの人生をしっかり歩めるように叩いていただけば良かったかなと後悔しています。それはまた次の機会で体験したいと思います。
「自分がただここに存在する」ということに集中すると、なぜだか涙が出そうになりました。早期退職して、やってみたいことをやる旅をしていましたが、こうして生きていることは私一人でできたことではないということがじわじわ胸に広がる感じがしました。自分と向き合うことって本当に大切ですね。貴重な体験をさせて頂いたことに感謝します。